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2007年8月21日 (火)

南アルプス バテバテ記(千枚小屋)

前夜9時過ぎ2個見られた流星。期待した明け方は、何時の間にか薄雲が全天を覆いベルセウス座流星群見ること叶わず。

深夜から明け方にかけ10台近くの車が駐車場目がけて入ってきます。またへッデン点け早立ちするパーティも何組か…

ジィ~ジと相方 椹島までの送迎バス1番が8時です。

ユックリと車内即席ベッドを元に戻し、お湯沸し簡単な朝食を採り、出発準備です。

この日の予定の概略は、概ね次のとおりです。

   Rtsawarajima

エリアマップ CT 7時間 高度差 約1500m.

*写真はクリックで全て拡大

【記事】

8月13日(月) 薄曇/晴

7月の台風4号のもたらした被害で、駐車場から先は、大規模な土砂崩れ、工事用の仮設足場を渡り、畑薙第一ダムまで歩かねばなりません。工事用の車が多数取り残され他人事ながら、どうなるんだろう?と気懸りです。

ダムサイトで、東海フォレストの担当職員に施設利用金として3,000円支払バスを待ちます。(小屋宿泊時精算)

お天気は、イマイチスッキリせずガスで,おまけに瞬間的に小雨まで混ざりますが、先行きこれ以上悪くなる事は無いと思われます。

   P10509601_2
    畑薙第一ダム お天気スッキリせず。。。

7時35分頃 定員に達しマイクロバスは、椹島に向かって発車です。

崩落箇所や狭い林道を大井川に沿ってガタガタと揺られ(自分で運転したくない道です)約1時間で椹島到着です。カーブの連続ばかり、今にも車酔いしそうな悪路の連続です。

途中 畑薙湖には茶臼岳への登山道に続く畑薙大吊橋や、赤石ダム先には、聖岳への聖沢ルート登山口等も有ります。

8時35分 椹島ロッジ入口
バスのドライバーから「飲水事前用意している人は、ここで下りた方が良いですよ」と言われ、下車し出発の準備 身支度整えます。

   P10509621

8時45分 椹島スタート
大井川林道東俣線を少し歩き、滝見橋手前から左に沢沿いの登山道に取り付きます。愈々スタートです。

   P10509641
    道標 概念図を確認する相方

小さな滝の横を通り、奥西河内の吊橋を渡り、所謂 蕨段尾根ルートへ取り付きます。

樹林帯の根が露出している登山道となります。
小一時間で樹間からチラリと荒川三山方面も顔を出してくれます。

   P10509661 P10509671
(左)奥西河内吊橋
(左)樹間から目的の山々が見え出す。

なだらかな登山道を進めば、やがて林道に出ます。

林道斜め前方には、鉄製梯子が掛けられ、その先にはガレ場も少し現れますが、直ぐに小石下(1586.4m.)に着きます。この辺りで一服します。下りの登山者もボツボツと見受けられるようになってきます。

小石下から緩く長いダラダラした尾根に取り付けられた登山道をトラバース気味に高度を稼ぐと 清水平にでます。

ここでも一服 折角なので喉を潤します。勿論 冷たく美味です。少し早めの昼食タイムをユックリ取ります。

今日の相方 寝不足?と左膝痛で全く元気が無く、バテバテ状態で足が前へ出ません。

この辺りからはシラビソの樹林帯が続きます。

12時35分 蕨段
相方不調で気分的にも盛り上がらず、登山道はダラダラ変化も無く、おまけに時折 林道がでたりして、若干興醒めの感が拭えないまま、それでも歩き始めて休憩しながら4時間弱で蕨段到着。

   P10509701
    蕨段 道標

ここまで来れば、この日の予定の半分以上です。相方不調なれどもう一頑張りせねばなりません。戻る訳にもいきません。

蕨段は深い樹林帯の中の少し広い台地で、足元には名の如く羊歯類が群生し、くぼんだ場所は少し湿地状になっています。

この先針葉樹林帯の傾斜の緩い登山道が続きます。100年近く昔伐採された跡も散見されてきます。

   P1050972
     標識 伐根

自生木は、100年弱で直径30~40センチ位に成長?
昔は、馬で伐採樹木を運搬していたとのことです。

相方絶不調なれど、この付近から椹島宿泊の登山者や今朝6時半の臨時バスで来た登山者グループの何組か?を追い越すようになってきます。

(事前電話情報で、臨時バスは出ない。との回答だったのですが…)

やがて樹林帯の隙間から赤石岳そしてぐるりと目を転ずれば、荒川三山、千枚岳も時折見え出して気分も少し変ってきます。

漸く、相方も少しは体調回復してきたようです。

13時50分 駒鳥池

   P10509751_2 P10509801
     駒鳥池標識 小屋まで1時間
     千枚小屋まで15分頑張れ 標識

再び深い針葉樹林の緩い道になり、倒木も見られる湿地帯 駒鳥池に出ます。この辺りは、静寂感が漂っています。

相変わらず緩い傾斜の原生林の中の登山道をトラバース気味に進み、千枚岳直登分岐を見送り、左に進めば直ぐに本日の宿泊地 千枚小屋の屋根が見えてきます。

14時25分 千枚小屋到着

   P10509841

スタートして休憩しながら5時間40分。この日の歩き納めです。

赤石岳からの登山者、テント泊の登山者…小奇麗な小屋の周囲は大賑わいです。直ぐに宿泊手続きを取ることにします。

小屋の管理人さんは、ユニークな、話も面白い 印象深い髭を蓄えた男性です。

小奇麗なシッカリしたウッディ小屋です。

諸手続き終えて早速 寝床を確保 確認します。混み合っているものの、布団(シュラーフ)1枚スペースは充分有ります。

小屋へ到着し、寝床も決まれば後は夕食までノンビリ眺めて、飲むしか有りません。

雲の合い間から富士山笊ヶ岳が見えてます。

小屋の周囲は湿地性植物の花々が各々咲き誇っています。

   P10509921

BEERを飲みながらユックリユックリ眺めを楽しんでいると、徐々に雲も少なくなって山々もその全容を現しだしてきます。

   P10509941 P10509991
(左)笊ヶ岳方面
(右)富士山

本館のほかに、トイレ(水洗)の奥に別棟も2棟あり、たまたま3時以降到着者は、其方へ振り向けられているようです。

夕食は、鳥の揚げ物がMainです。

   P10600111_2

夕食終わり、日の入り間近には、富士山も照り映えだします。

   P10600181

真っ赤な [赤富士]とは行きませんが、それなりに頬を染めてくれています。

久々に見る富士山 たっぷりと堪能します。

爽やかな涼風が肌に心地よく当たり頗る快適な気分にさせられます。山ならでは味わえぬ爽快感です。

周りは、三脚立てた高級カメラが林立 夫々シャッターチャンスを狙っています。勿論デジカメ、携帯片手の見物者も数多です。

雪を冠した時季の富士山は、きっとより素晴らしい事でしょう。

山々はやがて次第に黒味を帯びてき、それに連れ人々も順次寝場所へ戻ります。

小屋の消灯は、午後8時です。

翌日の 晴れん事を願って横になるジィ~ジです。

           この先 続く…

この日見た花々の一部です。

   P10509561 P10509581
   P10509791 P10509811
   P10509831 P10509891
   P10509901 P1050991

このほか、ゴゼンタチバナ、サラシナショウマ、カニコウモリ、ハハコグサ…
etc etc。。。

この日の私見

この山域は東海パルプの所有林が殆どを占め、且つ南アは森林限界が高い為、1100m.の登山口から2600m.の千枚小屋まで樹林帯で覆われ途中展望も得られず、登山道も単調で変化無く、おまけに難儀して登っている最中に二度林道が現れるので、正直興醒めする感は否めない。只 登山道は概ね整備され歩きやすいと思われる。
千枚小屋は富士山、笊ヶ岳の絶好のVIEWPOINTで、また周囲は湿生植物の群生地で百花繚乱、水も豊富、トイレも水洗と申し分ない。小屋の清潔度もまず合格点。食事サービスの従業員も極めて気配りも出来、感じが良く好印象を持つ事ができた。

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コメント

穂高&K さま
今日は 相変わらずタフな活動で驚きです。
三伏峠から荒川小屋まで1日ですか?
車の回収方法は?
事前に解っていれば 残念 残念
膝 お大事に!カミさん騙し 騙し使っています。
加齢現象でしょうか?!

投稿: 輝ジィ~ジ | 2007年8月23日 (木) 11:26

千枚小屋、気持ちの良い小屋ですよね、花も多いし。
今回は天気に恵まれ良かったですね。
奥様、膝の調子はいかがですか?
私もこの頃、膝に違和感を感じるようになってきたので辛さが身にしみます。
実はわれらも三伏峠から入り、赤石岳は17日でした。残念残念、少しの違いでお会いできなかった。
またまたバッタリなんてなりたかったのに。
続き楽しみに拝見します。

投稿: 穂高&K | 2007年8月23日 (木) 10:26

noritanさま
COMMENT有難うございます。
そうです。2年続きの南アでした。新潟から遠いですね!
今回は、お天気に恵まれいい思い出ができました。
山は天気次第ですねぇ~
シロバナタカネビランジ一杯咲いていました。
記事アップ頑張ります。

投稿: 輝ジィ~ジ | 2007年8月23日 (木) 06:57

南アルプスに2年続きですね!
懐かしく、自分が行った時(2002年)の事を思い出していました。
http://www5e.biglobe.ne.jp/~noritan/yama15.htm#悪沢岳&赤石岳

千枚小屋に到着した時にカメラを撮って頂こうと渡した時にお互いの手がしっかりカメラを手渡せずに下に落としてレンズにヒビが入ったこと。
赤石小屋到着が遅くなり叱られたこと。
千枚小屋付近に「シロバナタカネビランジ」が咲いていましたがありましたか?
思い出深い山でした。
続きを待っています。

投稿: noritan | 2007年8月23日 (木) 03:53

いめか さま
今晩は!COMMENT有難うございます。
南ア、それも新潟から一番遠い山へ行ってきました。
北海道のときと違い、幸いお天気に恵まれ充実した山歩きが
出来ました。記事アップ纒が大変です。

投稿: 輝ジィ~ジ | 2007年8月22日 (水) 23:23

南アルプスに行ってられたのですね。
遠くて奥深いと聞いた事はありますが
まだそこまで手が(足が)届きません。
いずれ…いつの日かに登れる日を楽しみに
読ませていただきます。

投稿: いめか | 2007年8月22日 (水) 23:06

まゆ太さま
千枚岳から荒川三山そして赤石岳の核心部は14日でした。
2日間の違いでした。正直 貴女やTiCAさんに会えるかなぁ~と
淡い期待は持っていたのですが!日にちは読めなかった。残念至極。。
何時か計画的バッタリを狙います。

投稿: 輝ジィ~ジ | 2007年8月22日 (水) 21:36

おや~(@@)
ジィ~ジさん、南アルプスへいらしてたのですね?!
あれあれ?どうすれちがっちゃったのかしら?
中岳~赤石の稜線は・・・16日に歩いてました。
そのとき、ジィ~ジさんは?だいぶ先に行っちゃっていたのかなぁ。ざんねん・・・

投稿: まゆ太 | 2007年8月22日 (水) 20:34

山いろいろ さま
ご機嫌如何?二日酔いになっていませんか?
山小屋管理の東海パルプの子会社東海フォレストはバスで
椹島ロッジまで送迎(一般車通行できない)しているんですが、
運送業許可とっていないので小屋代8,000円なのですが、
3,000円の施設利用券が金券扱いになり、差額5,000円小屋で払う仕組みなのです。
一般車は入れない変わり、無料で送ってくれる。
(但し小屋利用に限る?)
千枚小屋千枚岳名前の基は???調べねば…
カミさんたまにバテる事あるんです。膝治療に行けといっても
小生の言にはなかなか従いません。ご心配頂き感謝。

投稿: 輝ジィ~ジ | 2007年8月22日 (水) 11:48

施設利用料を支払うまでは理解できますが、小屋で精算とは?、詳細希望。
千枚小屋と千枚漬けの関係は如何に?面白いネーミングですね。
奥方様のバテ姿、想像ができません。膝お大事に。

投稿: 山いろいろ | 2007年8月22日 (水) 10:56

赤鬼さま
お早うございます。今頃イチゴ姫行っているんだ!
この日相方グッタリ バテバテ 夫婦喧嘩寸前
この小屋結構いいと思いましたyo。機会が有れば泊まって!
花も景色も goodでした。
この先 核心部 纒が大変ですが頑張ります。

投稿: 輝ジィ~ジ | 2007年8月22日 (水) 07:32

相方不調とは、珍しい。(正直ほっとした)千枚小屋
二回通過したが泊まったことない。このコース今頃
いちご姫が歩いている筈。時期によるが、小屋の周り
花が多いよね。いよいよ核心部だね、早くアップしてよ。

投稿: 赤鬼 | 2007年8月22日 (水) 07:01

甘納豆さま
お早うございます。
小屋までは単調で、只長いだけ… 少し嫌気もさして…
でも小屋のLocationは絶好です。貴殿のデジイチであれば
きっと素晴らしい写真が撮れたことでしょう。
水も豊富、花も有り綺麗ないい小屋でした。
南アルプスは山が大きく懐深く感じます。

投稿: 輝ジィ~ジ | 2007年8月22日 (水) 06:07

テントミータカさま
お早うございます。小生機会が有れば二軒小屋泊まってみたいと
思っています。千枚小屋は思わぬLocationでした。テン場も
整備が良くされているようなのでお試しあれ!但し
小屋までは少々単調 山が深い所為でしょうか?
旧 大倉財閥大倉喜八郎氏は新発田で生まれ育ったんです。

投稿: 輝ジィ~ジ | 2007年8月22日 (水) 06:02

こんばんは!と言ってももうじきおはようございますか。
それにしても“日の入り間近の照り映える富士山”素敵です。最高です。
これを見れただけでもこの日の疲れは吹っ飛んだことでしょう。
翌日も楽しみです。

投稿: 甘納豆 | 2007年8月21日 (火) 23:56

いよいよ、登山開始ですね!。私、伝付越えで二軒小屋から入ったので、このコース、千枚小屋も未知の世界なのです。興味深々で読ませてもらいますね~!!。
 それに知ても不調の相方様が途中から他の登山者を追い抜くとは・・・さすが、体力が違いますね。

東海パルプの大倉翁が新発田出身とは・・・何気に新潟県は大人物を生み出す地なんですね~。

投稿: テントミータカ | 2007年8月21日 (火) 22:33

mikkoさま
今晩は COMMENT有難う
このコース1500m.の高度差有るものの危険箇所なし。
時間さえかければ誰でも容易に歩けますよ。
それより 確かにドライブ永かった~!
仙丈ケ岳行くなら甲斐駒ケ岳セットの方が効率的!?
南アは奥が深い感じします。

投稿: 輝ジィ~ジ | 2007年8月21日 (火) 22:29

こんにちは!
ロングドライブお疲れ様でした。
千枚小屋、とても綺麗な山小屋ですね。
お食事もおいしそう!
実は私、まだ南アは未踏なんです。
夜叉神峠から眺めただけ・・・
でも標高差1500mは私には無理だろうな~
まずは一番登りやすい仙丈ヶ岳から挑戦ですね。

投稿: mikko | 2007年8月21日 (火) 22:14

TiCAさま
COMMENT有難うございます。
ジィ~ジ年甲斐も無く、実はもしかすれば…と思っていたんですよ。
多分我々の時より、若干登山者も数少なく、静かな山歩きが
出来たのではないかと思われます。それにしても登山口まで
越後新潟からは遠かったです。
後日TBさせて頂きますのでヨロシクお願いします。

投稿: 輝ジィ~ジ | 2007年8月21日 (火) 17:11

輝ジィ~ジさんこんにちは。
ほんとにちょっとズレていなければバッタリでしたね~残念!
自分も歩いてきたルートだけに、ウンウンとうなづきながらレポ拝見しました。
あたしも早くUPしなきゃなー(笑

続きも楽しみです!

投稿: TiCA | 2007年8月21日 (火) 15:56

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