北海道の朝は早い。
4時少し前に起床、窓から外を見ます。
降ってはいないものの、ガスが立ち込めています。
シュラフを片付け、お湯沸し簡単な朝食を摂ります。
朝食を終え、身支度整え出発準備の最中、雨が降り出して…
最初から雨具着用の登山は、ジィ~ジの場合 滅多に有りません。
梅雨が無いと謂われる北海道を選んだのに… orz
(日頃の精進が悪いのでしょうか?)
外気温も10度を切っています。
この程度の雨では、取り止めるわけにも行きません。
(折角遠路遥々やって来たのです)
小屋の前に立てられた案内板をみて、概要確認します。
勿論 登山届けも投入。
愈々 今回の北海道シリーズ1座目の始まりです。
■ 羅臼岳 1660m. 日本100名山
所在地 目梨郡羅臼町 斜里町斜里
山行日 7 月10日(火)
お天気 雨/ガス
同行者 O氏 O夫人 相方 ジィ~ジ 計4名
行 程 岩尾別 温泉登山口(5:00)ー弥三吉水(6:25-6:33)
ー極楽平(6:50)ー銀冷水(7:20)ー大沢入口(7:35)
ー羅臼平(8:10‐8:20)ー羅臼岳山頂(9:05‐9:13)ー
銀冷水(10:40‐10:50)ー岩尾別温泉登山口(12:25)
所要時間 7時間25分 実質歩行時間 6時間45分
登り 3時間45分 下り 3時間
高低差 約1300m.
地 図 国土地理院地形図1/25000羅臼[北西]
【記事】
霧雨より少し強い雨の中、注連縄が張られ、神棚置かれた登山口をスタート。
ミズナラや トドマツ、広葉樹林混在の林の中にジグザグに切られた歩き易い登山道、視界は利かないものの、爽やかさを覚え気持ち良く高度が稼げます。暫く進むと、 《注意 ヒグマ多発区間》 の看板が下がっています。
(この先650m.岩峰までの区間は、登山道上にアリの巣が集中し、頻繁にクマが食べにきています。・・・・) と注意喚起内容が記入されています。
念のため、クマ避け鈴を出します。雨で登山道が濡れているせいか?蟻は見られません。
(昨夜の小屋の話では、クマさんによる人的被害はでた事が無いそうである。)
そのまま進むと、直ぐにオホーツク展望台にでます。
ガスで残念ながら、展望全く有りません。 晴れていれば…
この前方には、特徴有る溶岩円頂丘山頂も見える筈なのですが…
涙 涙・・・
歩き始めて約1時間強、尾根に取り付きます。650m.岩峰です。
650m.岩峰 ココにもクマ注意の看板設置
霧雨煙る道端には、ゴゼンタチバナの花達も見られます。
やがて 弥三吉水 の標識にでます。
全行程7.2キロ 山頂まで残りは、4.3キロだそうです。
標識の少し下がったところからは、パイプを通して清水が勢い良く流れています。先行の3人組のパーティが、先へ進む準備をしています。
スタートして1時間30分弱、我等も休憩タイムを取り、甘味を口にします。
弥三吉水 をホンの少し進むと周りは、ダケカンバやナナカマドに変わり、平坦な道が暫く続きます。小雨ながら雨は、依然止む気配全く有りません。
途中、 極楽平 と書かれた標柱が立てられてます。
ここで先行の3人組さんを追い越します。
風も冷たく、身体も冷えて寒さを覚えます。ジィ~ジは指先露出の手袋なので写真撮るのも難儀です。
極楽平を過ぎると、急に急登に変わり、途中の小沢にはブロック状の残雪が表れます。踏み抜かないように気を付け、通過します。
お天気になれば2,3日で消えることでしょう。
この急登の坂は、仙人坂と呼ばれています。
更に2人ずれのパーティに道を譲ってもらいます。
再び緩い道になりそのまま進むと、銀冷水 標識にでます。一寸立ち休憩とします。
休憩終わり前進すれば、ガスで煙る雪渓が現れます。
傍らに大沢入口の標識が…
山頂まで2キロと表示されています。
昨夕、下山の若い登山者から「滑落者が出たが、軽微な怪我で自力で下りたようだ。」と監視員の竹田さんに報告が有った事を思い出します。
気をつけて登る事にしましょう。
雪渓は、高度差200m.強、距離 7~800m.位?
途中からかなり急登となります。
もう少し冷え込むと凍結する事が充分考えられます。状況に依ればアイゼンが必要となることもあるでしょう。
*昨夕の情報に依れば、今年は例年より融雪遅れ雪の量が多いそうです。
喘ぎ喘ぎ雪渓をクリアすれば、また傾斜は少し緩くなり硫黄岳分岐にでます。
我々は、そのまま真直ぐ山頂方向へ進みます。
指がかじかんで、写真も旨く撮れませんが、傍らには様々な花が見られます。
メアカンフスマ、メアカンキンバイ、キバナシャクナゲ、イソツツジ
…etc etc 指の感覚なくなりそう・・・
この辺りから羅臼平です。
名の通り台地状で広場となっており、木下弥三吉氏のレリーフも納められています。
身体が冷えているので、温かいコーヒーで暖を摂ることにします。
指だけは相変わらず冷たく、仕方が無いので、自分の首筋に当てたり、胸に当てたり、そして両手を擦り合わせ温めます。
ハイマツ帯を容赦無く、冷たい強い風が吹き荒びます。
道の脇にはクマさん対策のフードストッカーも設置。
再び、山頂に向かって背の低いハイマツの中の道を進みます。傾斜は無いものの意外に疲れを覚えます。
寒さと風でスピードが乗りません。
それでもどうにか、漸く岩清水 清冽な冷たい水が滴り落ちています。
折角きたので、少し口に含みます。
岩肌には、白くイワヒゲがびっしりと…またイワウメも…
山頂まで600m.と表記されてます。
雨に濡れる、エゾツガザクラ、ミネズオウ 健気に咲いています。
この先は、安山岩の巨岩で覆われています。
岩稜帯を注意しながら岩伝い10分程で、羅臼岳山頂到着 です。
岩場の為、極めて狭い山頂です。早速 証拠写真を撮影します。
ジィ~ジ&相方
O夫妻
2人ほど、後続者が登ってきます。
風が強く、また山頂も狭い為、長居をすこと適いません。
晴れていれば、根室海峡を隔て北方領土国後島もきっと見えたに違い有りません。
10数年前の残雪期、アイゼン・ピッケル装備でガスの中、何とか登頂だけは果たしたと言う経験を持つO夫人またしても、羅臼からの眺望は得ることが出来ません。
夕べの小屋の話では、2,3日前も強風で岩を四つん這いで登り、山頂では柱にしがみ付き、吹き飛ばされそうだったとの話も聞きましたが、成る程 頷けます。
勿論我慢していても天候回復の兆しは100%有りません。
下山開始と致します。往路を忠実に下ります。
若いカップルが登ってきます。
岩清水から少し下った処で20人位のツアー登山者も山頂目指して…
更に羅臼平付近でまた10数人のツアー 更に個人登山者も何組か。
狭い山頂 きっと大変でしょう。
平日といえ流石人気の山 その程度が窺えます。
再び、大沢の雪渓を下ります。
上部は、相当傾斜がきつく、つまらぬ怪我などせぬように慎重に下ります。
昨日滑落事故もこの辺りでしょう。
雪渓を下り終えて、銀冷水で一休み。高度が下がってきたのと、風向き変ったのか?風の運ぶ冷気がいく分和らいだような気がします。
前夜、小屋へやってきた地元の山の会の会長さん、オーストラリアの中年のご夫婦を案内して登ってこられましたが、夫人がお疲れのようで羅臼平で、登頂断念された由、我々の後を慎重にステップ切りながら、下山してきます。
銀冷水で我ら一服です。
直ぐに一行も到着、話に依れば通訳が同行パスしたので、話が通ぜず困ったとの事。それでもお湯沸し、コーヒーを勧めています。婦人はお疲れのご様子です。
会長情報に依れば、この標識 クマさんが両側削り取ってしまったとの事です。
ユックリ休んで、再び辿ります。
暫くしたら若いカップルに追い越されます。ヤッパリ若さには勝てません。
登山口近くには、ギンリョウソウが彼方此方に見受けられます。
登山口に置かれた神様です。
木下小屋のお2人に無事下山の挨拶、御礼申し上げ車に乗込み、地の涯ホテルの前の駐車場へ移動。
入浴したい旨頼むものの、団体さんが下りてくるので宿泊以外の方は、お断りとの答え。(団体の皆さん下山には、少なくともあと1時間半から2時間は掛かるだろうに…) 汗を流し、着替えるだけなのに…正直 あんまり良い感じは受けません。
お天気悪く無料露天風呂も寒そうだったのでスルー…仕方なくウトロの町へ向かいます。
ウトロで入浴施設彼方此方探しますが、時間が早く何処も営業していません。少し時間を潰して、2時から営業の町営日帰り温泉施設で漸く気持ち良く汗を流します。
風呂から上がってサッパリすれば、今度は空腹感が襲ってきます。
港へでて、港の婦人部で営業している食堂へ直行します。
ホッケの焼き魚定食とバフンウニを単品でオーダーします。
ヤッパリ地産地消 旨い事 旨い事!!!
婦人部食堂前、ウトロ港の様子
腹も満たされ、我らは再び車中の人となり、次の目的地 斜里から清里へ向かいます。
途中コンビニで夕食そして翌日の食料調達、勿論 宿でのALCOHOLも…
今夜のネグラ 先年新装成った清岳荘です。
ガスでかすむ清岳荘
シュラフ持参なので、一人2,000円 調理場も使えます。
(昨年までは1500円?)
ここもツアー客居ないので、ユッタリと出来ます。
早速 一杯飲みながら 羅臼岳の印象など話題に事欠きません。
〝晴れたら国後もきっと…〟〝雨風吹いていなければ花たちも…〟
〝何時の日にか来ることできればせめてサシルイ岳(1564)からその先の硫黄山まで足を伸ばしたいネェ~〟
お天気に苛まれ、この日は残念ながら
↓ ↓
…たら …れば 話になってしまいました。
O夫人も三度目の正直に期待。 何時の日か 羅臼岳 ユックリと楽しむ事に致しましょう。
今度来るときは、羅臼岳フルに満喫したいと願います。
(皆さんの写真を見るとどうしても再度登らねば…)
隣の部屋で前日 羅臼岳に登り、今日お天気悪いので1日清岳荘で沈殿していたとの余裕の富山からの6人パーティとしばし情報交換。
相変わらず外は霧雨降り止まず。
さて 明日のお天気 期待できそうでしょうか?!如何。
羅臼岳編 お終い
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