越後頸城山塊の最高峰【火打山(2482m)】は、日本百名山、花の百名山。
隣の溶岩ドームから構成された急峻な日本百名山【妙高山(2454m)】と異なり
比較的傾斜が緩やかな“山”である故、べったりと雪が着きので、豪雪地他の中でも
遅くまで残雪が見られ、同時に春の花、初夏、そして夏の花が一斉に咲き出す“山”
今回は年も重ねたことでもあり、ゆっくりと高山植物を愛で、展望を楽しみながら
小屋で 酌み交わし一夜を過ごそうよ・・・と。
7月12日(日)~7月13日(月)
このシーズン混みあう山小屋、多忙な現役世代の方々の邪魔にならぬようと
土曜日を避けて日にちを設定。天気もまずまずの予報。
7月12日(日)
同行 長岡 T夫妻 Kさん ジィ~ジと相方 K女史 計 6名
Am 07:35 笹ヶ峰登山口 標高≒1,300m
登山口 備えつけの登山届に必要事項記入して投函
登山口からは新緑が燃えるブナの美人林の中に敷かれた緩い木道を約2キロ。
※ 目的の【火打山(2482m)】山頂まで9キロ強 距離有り。
ササバギンラン ※ 拡大
歩き始めて直ぐ、木道脇でひっそりと咲く、ギンランを発見のジィ~ジです。
爽やかなれど単調な長い長い木道をひたすら前進、前進。
Am 08:30-08:40 黒沢
最初の休憩。
黒沢に架かる橋を渡ると、岩が露出している傾斜がキツイ登山道に変わり、
やがて 名の通り“十二曲り”が始まります。
十二曲りの急登始まり 1/12
今夜は小屋泊り、急ぐ要は有りません。ビスタ~リ ビスタ~リ・・・と。
Am 09:20-09:25 十二曲り (別名 爺返し )
2回目の休憩を取ります。
“十二曲り”から暫く(10分程)すれば、左側に視界が開け神々しいような威厳を
感ずる北アの大展望が目に飛び込んできます。
北アの展望 白馬から五竜・鹿島槍
ズームアップ 槍ヶ岳も望遠
再びガラ場の急登(別名 婆返し )が現れ、喘ぎながら登りきれば“富士見平”。
周辺はオオシラビソの大樹林帯、直射日光当らぬ場所には未だに踏みしめられた
残雪もところどころで見られ、道も少々泥濘状態。
Am 10:25-10:40 富士見平
“富士見平”は〔高谷池ヒュッテ〕と〔黒沢池ヒュッテ〕の分岐。
ゆっくり休んで、ところどころに大きな岩が露出する登山道。“黒沢岳”の西側を
巻きながら進みます。白い色をしたダケカンバの巨木に目がテン!!
そして登山道の脇には鮮やかなオオバミゾホオズキの黄色の大群落。
オオバミゾホウズキ
行く手には目的の【火打山】更に【影火打】活火山【焼山】が目前に迫り圧巻!!
右から 火打山 影火打 そして煙り出す焼山
北アの峰々も勿論眺めながら
張り出したネマガリダケに靴を引っかけ無い様に緩い坂の前方に三角屋根。
Am 11:35-Pm 00:55 高谷池ヒュッテ水場前 標高≒2100m
丁度時間はお昼時、【火打山】に向かう登山者、山頂から戻ってきたハイカー
老若男女数えきれない程の人々が交錯しています。
ヒュッテ前のベンチ・テーブルには大勢のハイカーが楽しそうに寛いでいます。 日傘をさすTさん テントサイトは一面の残雪
我らものんびりと水場の脇で、お昼を採ります。まずは持参の(缶)で乾杯~
お昼の宴は何時もの通り盛り上がり1時間以上。
我らは宿泊手続きを済ませ、水と身の回り品だけザックに詰め替え山頂へ・・
※ 高谷池ヒュッテは完全予約制 ゆったりスペースで詰め込みなし
“高谷池”周辺はハクサンコザクラの大群落 大群生地が拡がります。
ジィ~ジのお気に入りの高山植物の一つ。
ハクサンコザクラ ※ 拡大
“高谷池”湿原の北側を回って低い尾根を越え“天狗の庭”に向かいます。
道の脇、他の山では見られないほどのキヌガサソウの群生にが張り付け!
キヌガサソウ ※ 拡大
咲き始めたばかりのキヌガサソウの群生
残雪残る低い尾根 気持ち良い~ 快適
雪が消えたところから次ぐ次とハクサンコザクラ
山頂から下山してくる数多くのパーティとスライドします。
流石にこの時間から山頂目指すパーティは極めて少ない。
天狗の庭付近 写真中央 火打山
コバイケイソウと火打山
※ ここ2年ほどあんまり見られなかったコバイケイソウ、今年は咲年か!!
青空に湧き上がる白い雲 もう夏山本番。
湿原の池塘周りにはハクサンコザクラ
( 写真 左 ミヤマキンバイ 右 ツマトリソウ ) ※ 拡大
鬼ヶ城の赤茶けた絶壁
ササ原とダケカンバの林を過ぎてハイマツ帯の稜線先雪渓の“雷鳥平”
“雷鳥平”は貴重な雷鳥生息北限そして新潟県唯一の場所でもあります。
撮影 2003.4.27 もう12年前か! 雷鳥平付近
※ 笹ヶ峰登山口まで除雪が終わったばかりの時期、黒沢から詰めて火打へ
高谷池ヒュッテは山スキーヤー数人のグループと登山の我々仲間10人。
“雷鳥平”から先は暫く平坦な道になりその先は山頂へ繋がるザレ場の急登。
土留めの丸太階段の登山道で最後の登りです。
その途中、登山道の傍らでは↓ ↓ ↓ 多彩な高山の花々が見られます。
( 写真 左 ベニバナイチヤクソウ 右 ハクサンシャクナゲ ) ※ 拡大
( 写真 左 ハクサンチドリ 右 テガタチドリ ) ※ 拡大
( 写真 左 ノウゴイチゴ 右 ウサギギク ) ※ 拡大
( 写真 左 ヤマオダマキ 右 ミヤマキンポウゲ ) ※ 拡大
Pm 02:36-03:05 火打山山頂
周囲がハイマツで覆われたなだらかなザレ場状の山頂。
傾き露出した三等三角点と不動明王?小さな石仏と御札が岩の欠片で保護。
山頂にて記念の一枚
山頂には小屋泊まりの飛騨高山在の女性二人。
折角なので我がグループの記念写真のシャッターを押して貰います。
富士山は見えないもののTさんからお二人の県外客に
「あれが高妻、隣が乙妻」 山座同定をしてもらいます。
円錐形の活火山 【焼山(2,400m】
対峙する【妙高山(2445.9m】
【妙高山(2445.9m】【焼山(2,400m】二つの火山に挟まれている【火打山】は
火山では無く、海生動物類の化石が見られている。
やがて山頂は我らグループのみになり、天下の名峰を独占です。
それでもいつまでも居座るわけには行きません。往路をのんびり下ります。
花々を愛でながらゆっくりと下山
( 写真 左 アオノツガザクラ 右 クルマユリ ) ※ 拡大
( 写真 左 オタカラコウ 右 トウゲブキ ) ※ 拡大
“天狗の庭” 周辺に数ある池塘、そよ風でさざ波が立っているものの水面には
逆さ火打の優雅な姿が映り、飽かず眺める我らです。
天狗の庭周辺の池塘に映る逆さ火打・影火打 ※ 拡大
池塘周りにはとにかく盛りのハクサンコザクラの群落が緑の原に縞模様で!
コバイケイソウと火打山
( 写真 左 サンカヨウ 右 イワイチョウ ) ※ 拡大
突然変異? 白い花弁のハクサンコザクラ
高谷池と高谷池ヒュッテ 三角屋根の3階建て
Pm 04:00 高谷池ヒュッテ
高谷池ヒュッテ、この日の自炊組は我らのみ。 高谷池ヒュッテHP⇒コチラ
ガスは勿論 鍋釜 調味料まで至れり尽くせり、再び 乾杯 カンパイ
持参の旬の枝豆、手料理の数々 宴は毎度の如く延々と・・・・
途中から、さいたま市からの美男 美女の新婚Aさん夫婦も同席。
若い人が加われば尚更、宴は盛り上がります。
越後の山自慢 吹聴するジィ~ジです。 越後の山へ是非どうぞ
宴の最後は珈琲のみならず抹茶お点前まで!
かくしてジィ~ジ2003年以来2度目の高谷池ヒュッテの夜は更け行きます。
7月13日(月)
明け方は周辺に少々ガスが罹っていたものの暫くして霧散。
自炊室でお湯を沸かし、持参の食材で朝食。
宿泊の皆さん、早々に下山される方、また【妙高山】へ向かう方、色々です。
残った宿泊客は我々と埼玉からの新婚さんカップルのみ。
Am 06:30 高谷池ヒュッテ
焼山上空に笠雲状の雲が
急ぐ用も無い我ら、下山は【茶臼山(2171m)】そして“黒沢池ヒュッテ” 黒沢池
経由で下山です。
ネマガリダケの林床に混ざってここでも数多くの花々が見られます。
( 写真 左 コケモモ 右 タニギキョウ ) ※ 拡大
【茶臼岳(2171m)】山頂手前で黒沢ヒュッテで宿泊、【火打山】へ向かう数人の
パーティとスライド。その後 直ぐ同宿の埼玉の新婚A夫妻に追いつかれます。
Am 06:57 【茶臼山(2171m)】
高谷池ヒュッテ 黒沢池ヒュッテの丁度、中間点。
【茶臼山】 山頂標識。
山頂からほんの僅か進めば、眼前に越後(中越地方)の山並みが目前に。
越後の山々(中越) 苗場山、はるかに 尾瀬燧ケ岳 ※ 拡大
【妙高山】が正面に、黒沢ヒュッテが左側に ※ 拡大
【妙高山】の外輪山裾を黒沢池眺めながらトラバースするように道が切られています。
(※ 一昨年に続きこのコース2度目)
( 写真 左 ヨツバシオガマ 右 ベニバナイチヤクソウ ) ※ 拡大
この付近にもベニバナイチヤクソウ何株も見られます。
Am 07:35-07:50 黒沢池ヒュッテ
黒沢池ヒュッテ
【妙高山】 ヒュッテから山頂までは約2時間程のアルバイト(往復3時間半?)
( 写真 左 アラシグサ 右 オオバタケシマラン ) ※ 拡大
黒沢池ヒュッテから小さな雪渓を上り湿原の木道を歩きます。
( 写真 左 モウセンゴケ 右 コバイケイソウ ) ※ 拡大
コバイケイソウ 個々の花を見ると可愛い。
湿原には盛りのハクサンコザクラの群落も其処 彼処に拡がっています。
ハクサンコザクラ
黒沢池とコバイケイソウ
コバイケイソウも固まって群落を形成しています。
ワタスゲと黒沢池湿原の木道
更にワタスゲも我、負けじと勢力拡大中。
湿原の花々を楽しみながら湿原の端っこから再び少し登り上げます。
Am 08:45-08:55 富士見平
富士見平からは前日の登山道を辿ります。
コケイラン ※ 拡大
十二曲りの手前付近で確認。
Am 09:40 十二曲り (トップ)
Am 10:10ー10:30 黒沢
岩魚狙い?Tさん
木の枝に絡まっていた釣り糸を利用して餌(川虫)を付けて即席釣りタイム
簡単には釣れません。(笑) 釣果ゼロ。それにしても遊び心が満載のTさん。
2キロ超の長い長い木道歩き。 爽やかなれど少々単調な下り
Am 11:00 笹ヶ峰登山口
東屋風登山口建屋門
過去何回も何度も登っている【火打山】 何時も頑張って頑張って日帰りばかり
今回は花々を見るたびに立ち止まり立ち止まりゆるーりゆるーり 展望を楽しみ、
小屋での楽しい自炊の宴・・・等々 これはこれで年相応の楽しみ方かも。
帰路 立寄りはランドマーク妙高高原 温泉かふぇ
お昼時に温泉にのびのびと浸かり、サッパリとしたところでお昼を注文
まことにありがたい身分と感謝の念を覚えるジィ~ジです。
充足感に満たされた二日間 この項 (完) 64(66)
追)
残雪と爽やかさを味わったばかりなのに、妙高高原でもあるにも拘らず
温泉かふぇからに乗り込んでみたれば、何と!外気温38度 \(◎o◎)/!
夕方のTVでは上越市が38度超で全国一だったと。。。道理で!!
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